脳性まひ者 しんやのひとりごと

脳性麻痺による両上下肢機能障害と共に生きる筆者が、折にふれ、浮かぶ思いをつづる。

2009-01-01から1年間の記事一覧

音楽工房104の生演奏

舞台の上で演奏している人は、音を料理する人で、みんなコックさんの恰好をしている。トランペット、バイオリン、ドラムなどの、 「おいしい音を召しあがれ…」 音楽工房104(とよ)による生演奏を聴いた。仙台フィルハーモニー管弦楽団の団員を中心にした…

どっきり怪現象?!

部屋とキッチンのあいだの戸のガラスが急に鳴りだし、パーンと音が反対側のほうでした。 それは平成二十一年十一月三十日、もう少しで午後二時半になるころだ。 読書に使っていた電気スタンドが首から折れて落ちている。ギョッとした。 そのタイミングで、 …

T春さんの訪問

窓にさす陽の光がいくぶん傾きかけた午後の二時ごろ、ぼくはアパートの部屋にいた。すると、ベランダから呼ぶ声がする。 だれだろう。 四つん這いでいき、窓枠にひじをひっかけて開けてみる。 「あら、T春ちゃん…」 障害者施設にいたときの利用仲間で、何か…

はぐれカラス

数羽のカラスが鳴きながら、長町南のぼくのアパートの空を飛んでいく。 どこでもよく聞かれる、カラスの鳴きごえだ。と思うと、群れからはずれ、かったるそうに鳴くカラスがいる。 スーパーがあり、家々が並ぶ。道路には行き交う車もない、しいんとした時に…

夢とうつつで…

無精ひげを生やし、もじゃもじゃあたまの男の友人(三十半ば)がいる。久しぶりに会った彼は、心もちさっぱりしていた。 ぼくは車いすで、どこかの料理店にいっしょにいた。 飲みますと、ぼくが合図を送り、そのつど彼はストローをさした水割りを口元へ持っ…

学生さんの訪問

割りばしをつけたサンバイザーをかぶり、あたまを動かしながら、パソコンのキーボードを打って文を作る。 運動神経の障害で手指が思ったように動かないぼくは、マウスが扱えないので、トラックボールを使っている。腕をそのボールに乗せ、体のほうを動かし、…

コンサートや芝居が楽しめるレストランでゆっくりと…

心に沁みるピアノの音が、店内に響きわたっている。優しくつつんでくれるようなメロディーは、ショパンのノクターンだ。 弾いているのは、生まれつき右手首から先がない、という方で、左の五本指と、右の手首の先を使って器用に鍵盤をたたいている。ここまで…

仙台市長選挙 祈りの一票

小太りめがねの、四十代後半の男のヘルパーさんについてきてもらいながら、長町南小学校へ電動車いすで投票に行く。 きのう仙台市長選挙だった。 晴れていたのに、出かけるころになって、くもってきた。雷が鳴って、途中で雨が降りだした。 ようやく着くと、…

オカマなんすかぁ?!

役所へ用事があり、近くのザ・モール仙台長町の二階にある紳士服売り場へ寄った。 「この半袖のシャツ、いいなぁ。でも値段がちょっと高すぎだ。またこんどにしよう」 ひとり呟き、買う必要のある夏向きの衣服の目星をつけながら、電動車いすで進んでいた。 …

サンスベリアが、また伸びた?!

きょうは、午後にみえた三十代の小麦色の肌をした男のヘルパーさんが、部屋に入るなり、 「あれ、あの観葉植物の葉っぱ、また伸びたんじゃないですか?」 言われてみると、たしかに、同じ高さだったはずのそばの本棚より、もう二十センチはあたまが出ている…

チョボラ

地下鉄長町南駅である。 エレベーターのボタンへ、柵の向こうから男の子が手を伸ばしていた。小学五、六年生だろうか。 ぼくは、ちらっと見ながら、 「どうしたのかな?」 男の子はタッチすると、そのまま去ろうとしていた。 ぼくは出かける用があり、地下鉄…

賞に選ばれた夢?

「えっ、なに?」 メールをひらいて、とまどった。 なんと、ぼくのブログが、賞に選ばれたというのである。 どこかに応募したおぼえもない。だれかに、うらまれているのかなぁ。きっと、いたずらだ。 けれども、しごとでねたまれるような、切れる男でもない…

いつか わが身…

障害をもつ当事者の集まりが先日あって、ぼくもそれに加わった。障害者やその支援者の現状を、なんとかわかってほしい。そんな思いから、大勢の仲間が集まり、仙台の中心街を、デモ行進した。 「私たち抜きに、私たちのことを、決めるな!」 自立支援法、と…

手作りクッキー

「こんど、障害のあるひと何人かと、学生集めてお菓子作りでもしようかと思うんですけど、きてみませんか?」 S協会に勤めるYさんからメールが届いた。 S協会はボランティアを派遣してもらっていたところだが、彼も学生のころ、その協会のボランティアと…