甘く澄んだ弦の音が、響きわたっている。いつしかまどろみながら、ぼくはコンサートホールの車いす席で、じっと耳を傾けていた。 目をとじていると、雪をかぶったもみの木の林にレンガの家がぽつんとあらわれる。窓にペチカの灯が揺れる。幼いころ、紙芝居な…
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