脳性まひ者 しんやのひとりごと

脳性麻痺による両上下肢機能障害と共に生きる筆者が、折にふれ、浮かぶ思いをつづる。

2014-01-01から1年間の記事一覧

街路樹のおばさん

電動車いすで歩道を行く。 パリッ、パリ、と落ち葉を踏む音に、街路樹を仰いだ。ずっとつづいていた緑が、赤や黄、茶に染まっている。なんとなく、パーマをかけたおばさんが、道を行き交う人にはっぱをかけているようにもみえる。 樹木や植物にも感情の変化…

生演奏を聴きながら…

指の動きが素早く、息をのんだ。 仙台を中心に活躍されているギタリスト、Tacchyさんの演奏の高度なテクニックが、車いすでいた席からよくみえた。 「こんど、生の音楽、聴きに行きませんか」 PCのハード面の調子がわるいとき、助けていただいている五十代…

クモから見つめられ

二センチほどのクモが、机の上を移動していた。 ふと顔を近づけ、観察する。十センチほど進んだところでクモは、その気配を察知したようにピタリととまる。首だけまわし、顔をあげ、二つの目で、ぼくの目をじっと見つめる。ギョッとした。 目を少しそらすと…

車いす者の気持ち

車いすを押してもらい、街のイベントなどへ出かけると、見ず知らずの人が声をかけてくださる。 うれしいお心づかいをいただいたときは励みになるが、とたんに気が重くなることも多い。たとえば夜などデッカい声で、ヘルパーさんのほうだけに、 「この車いす…